先日,今年の司法試験があったとのニュースを聞いて自分が受験生だった時代を懐かしく思いました。もっとも,弁護士になった今でも法律は改正される等日々変化するため,勉強の毎日です。
最近では民法の相続分野の改正・施行がありました。
実質的な相続分野の改正は約70年ぶりとのことです。そこで,今回は相続分野の改正のうち,自筆証書遺言に関する部分について簡単にご説明いたします。

まず,すでに施行されている(2019年1月13日施行)ものとして,自筆遺言証書の要式の緩和があります。
そもそも自筆遺言証書とは,遺言をする者(遺言者)が,その全文,作成日付及び氏名を自分の手で記載したうえで押印する遺言証書です(民法第968条第1項)。
今回の改正以前では,その全てを遺言者がその手で記載する必要がありました(ワープロ,パソコン等による作成は不可。)。
しかし,今回の改正によって,自筆遺言証書と一体のものとして相続財産の全部又は一部の目録を添付する場合,自分の手で記載して作成する必要がなく,ワープロ,パソコン等によって作成することが可能になりました(同条第2項)。もっとも,目録の各頁に署名と押印をする必要があります。

また,2020年7月10日より,自筆遺言証書の保管を法務局に申請することができるようになります(法務局における遺言書の保管等に関する法律第4条第1項)。
従来,自筆遺言証書は基本的に遺言者が自ら保管していました。しかしながら,遺言者が自ら遺言書を保管していた場合には紛失や相続人による隠匿や変造のおそれ,相続人がその存在に気が付かない等によって,結果として遺言者の意思に沿わない遺産分割協議がなされてしまうという問題がありました。
この問題に対処するため,先述のように法務局が自筆証書遺言を保管する制度が創設されました。

以上のように相続分野の改正の一部を簡単にご説明しましたが,遺言を行う場合には法規で定められている手続きや方式に従って行う必要があります。これらに従わない場合にはその効力が認められない場合もあります。
そのため,遺言書の作成をお考えであれば,市民総合法律事務所にご相談ください。
弁護士が適切にアドバイスし,ご意思に沿った遺言書の作成をお手伝いさせていただきます。

文責:弁護士石原知